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第47話「決戦の地へ」

last update Last Updated: 2025-11-25 05:01:45
 上層世界の天壁は、蛍晶けいしょう鉱石によってうっすらと明るみ始めていた。

 ほんのりと冷たい風が城の外から吹き込んで、空気には緊張感が漂う。

 魔王城の大広間には、魔王討伐に向かうセリュオス、エレージア、ルキシアナ、ゼルフ3号がすでに揃っており、最終確認をしているところだった。

 そこへ一人の大柄な男――ヴァルディルがやって来た。

 ヴァルディルはただ黙ってセリュオスに近づいて来る。

 その表情に気づいた瞬間、セリュオスは声を掛けるのを躊躇した。

 普段は冷静沈着な彼の表情に、今は少しの緊張と決意がにじんでいるように見えたからだ。

「……セリュオス、俺から頼みがある」

 ヴァルディルの声は穏やかだが、確かな意思が込められていた。

「何だよ改まって。俺に頼み?」

「……俺も、魔王との戦いに参加させてくれないか?」

 すると、ルキシアナが驚いたように目を見開く。

「アンタが……? まさか、図体がデカいからって、足手まといになることはないとか思ってないでしょうね?」

「ルキシアナ、あなたねぇ……」

 ヴァルディルの巨体にさえ果敢に迫るルキシアナにあきれているのはエレージアだ。

「そんなつもりは毛頭ない」

 ヴァルディルは静かに首を横に振る。

「確かに、俺の力だけでは魔王オルデリウスには遠く及ばないだろう。だが、我々もここまで来て何もしないわけにはいくまい。ネラフィムの代表だけでなく、勇者の仲間として、責任を持って戦うつもりだ」

 セリュオスはヴァルディルの勇猛な眼差しを見据えた。

 目の前の男の決意は本物だ。

 普段は冷静で計算高い男が、この瞬間だけは自分の意思を前面に出していることを、セリュオスは感じ取った。

「……ヴァルディルの実力は知っている。むしろ、俺からも頼みたいくらいだ」

 そう真剣に告げたセリュオスは、ルキシアナに向かって頭を下げる。

 セリュオスとルキシアナを交互に見つめているのはゼルフだ。

「どうするでありますか、マスター?」

「何よ! セリュオスがいいって言うなら、ウチは別にいいわよ!」

 すると、ルキシアナは投げやりになってしゃがみ込んでしまった。

「ごめんね、ルキシアナ。でも、ヴァルディルの力とリーダーシップは、絶対に必要よ」

 エレージアはルキシアナを
白浪まだら

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